チーズって、本当は…。

先日、会社でカタカタとキーボードを打っていると、
ペルー人のカチートがやってきて、
「小倉さんおなかすいてるでしょ」
とこんなものをもらいました。

ロールパンにチェダーチーズを二枚はさんだもの。

私の生業では、様々な国の人たちが働いているのですが、
スタッフの多くは、肉体的にハードな仕事をしているので、
ちょくちょく腹ごしらえをするのです。
日本人は、大概、コンビニのお菓子かインスタント食品を
食べている姿を目にしますが、アルゼンチンやペルーの
人たちは、そういったものを食べるとお腹を壊すようで、
いろいろなものを持参。

特に、ペルー人は、みんなで集まって、持ってきたものを
わかちあうのが好きで、ロールパンのチーズサンドの他にも、
チョリソーを茹でたものやら、サラミやら、ときには
季節のフルーツを楽しそうに食べています。

たまに、私にも分けてくれるのですが、
確実にいえるのは、コンビニお菓子などよりはるかに
元気がでるということ。
そして、その日も、喜んで食べていたのですが、
「こうやって食べるとチェダーチーズも美味しいな♪♪」
と思いながら、あることに気づきました。

チーズは本来的には、こういう風に
消費されてきたのではないのか、ということに。

古代ローマ時代から軍隊の食料であり、
20世紀にいたるまで、あまりに当たり前すぎて、
特別なチーズを除いて、ほとんど「チーズ」としか
記録されなかったけれども、人々にとって、
重要な栄養源であったといわれるのは、
例えばカチートがやっているような、
こういった何気ない食べ方のうちに
あるのではないか、と。

翻って、日本人を考えてみると、チーズが
好きな人たちでも、労働の合間に、
チーズサンドを食べようとする発想の
ある人はあまり多くないのではないかしら。

もちろん、グルメとしてのチーズ、例えば、
チーズとアルコール飲料のマリアージュ
大好きだし、洒落たヨーロッパ風の食事も
楽しいけれども、もっと身近に、チーズが消費
されるような土壌ができれば、と思います。
海外の真似事ではなく、もっと当たり前の感覚で。
チーズ味のお菓子よりも、チーズサンドの方が、
美味しいし、元気になるし、身体によいのは、
明らかですから。