まるーしゃん。

数週間前、インターネットで、

メキシコではカップ麺のことを「マルちゃん」という。

という記事を読んだ。
イタリアでは、缶飲料をなんでもかんでも「ポッカ」といっていたので、そういうこともあるかもな、と思ったのだが、こういうことはメキシコ人に検証してみるのが一番!というわけで、仕事先でバイトをしているカルロス&ケイコ親子に尋ねてみることにした。

まずはその辺を忙しそうに歩きまわっていたカルロス。
「ねぇ、メキシコでは、カップ麺のことをマルちゃんていうの?」
との私の問いに、
「そう?」
と頷き去っていった。タイミングが悪かったらしい。

仕方がないので、娘のケイコが来るまで待ってみることにした。

しばらくして、ケイコ出勤。
おはようございま〜す、の挨拶を交わすや否や、尋ねる。

「メキシコでは〜(以下同文)」
すると、ケイコは
「あ、そう、そうなんですよ。でも正確にいうと、まるーしゃん、ていう発音
「ナルホド。スペイン語ではマルちゃんではなくまるーしゃんになるわけね」
と関心する私に、ケイコが解説してくれたところによると、

ケイコは生まれはメキシコだが、物心ついたときから日本で育っていて、日本の小学校に通っていた。が、小学校4年だか5年のとき、一度メキシコに戻り、メキシコの小学校に通うことになった。昼時になると、周りの小学生が、「まるーしゃん食べる」と騒いでいたが、何のことかわからずにいた。そんなある日、小遣いを親から貰ったので、昼休みに同級生と「まるーしゃん」を買える校内の自販機に行ってみると、そこにあったのはカップ麺の自販機。そこで初めて「まるーしゃん」=「マルちゃん」と気づいたらしい。

「メキシコだと、サンドイッチとか買ったあと、自分好みに味付けできるように、タバスコとかハラペーニョとか置いてあるんですけど、まるーしゃんの自販機のところにもあって、みんな入れるの」
そういえば記事にもそんなようなことが書いてあったような気もするけど。
「小学生も?」と聞くと、
「小学生も」とケイコ。
たしかに父カルロスの離乳食作りの話を聞くと、そんなこともありそうだけど…(またこの話はいつか)

「でもね、まるーしゃんはカップ麺だけじゃないんですよ」とケイコは話を続けた。「ふつうのラーメンとか、人によっては焼きそばもまるーしゃん、て言ってたから、よくわかんないんだよね」

なるほど、メキシコでは、まるーしゃんつまりマルちゃんは、狭義ではカップ麺を意味するが、広義になるとアジア風の麺類全般をさすわけだ。
マルちゃん恐るべし…