5年ぶりに復活☆

お久しぶりです。

自分がブログをやっていたことを忘れていてはや5年。
どなたかが、年末に、はてなスターをつけてくださったおかげで思い出しました(^_^;)

ちょうど、レシピの覚え書きを残そうと思っていたので、気持ちも新たにはてなブログにて復活いたします☆

プロフィールは追々現在に近づけるとして。
興味の中心は相変わらずヨーロッパの歴史料理。あとは、この5年間で随分と焦れ込んだインド料理がプラスされたかしら。

シルクロードという言葉を最近また聞くようになりましたが、日本〜中国〜インド〜ヨーロッパの料理って、素材は一緒なのに、その国らしい調味料、スパイス、ハーブを使うことで、その国らしくなるのですよね。インド料理というメルクマールによって、5年前には漠然としていたなにかが、結び付いたような気がします。まさにシルクロードを旅するが如く、異国情緒と同時に繋がりを感じつつ、お料理するのも楽しいものです♪♪

というわけで、また作りたいなと思ったお料理のレシピを中心に、ゆるっと再開いたしますので、よろしくお願いいたします。

NatadeCristiano's に行ってきました!!

こんばんは。

昨日は、1月23日にオープンしたばかりの、
ポルトガルのお菓子&パンのお店

Nata de Cristiano's (渋谷区富ヶ谷1の14の16)

に行ってきました。
名前でお気づきの方もいらっしゃると思いますが、
同じく富ヶ谷にあるポルトガル料理レストラン
Cristiano's のパティスリーのお店です。

地下鉄千代田線の代々木公園駅から約10分、
神山町商店街から路地に入ってすぐのところに
あります。こじんまりとした白い板張りの
店内は二畳ほど。お客さん用の窓口には、
ラインナップが書かれた紙が貼ってあり、
サンプルがおかれています。
そして、窓口から見える広い工房のスタッフさんに、
声をかけて注文する、という流れ。

昨日のラインナップは、
本日のパン(とうもろこしのパン)
卵のタルト(カステル・デ・ナタ)
チキンタルト
いわしのパテ

でした。
今後、パンも増やす予定だそうで、楽しみです。

さて、そんななかで、昨日、私が買ってみたのは

「とうもろこしのパン」と「卵のタルト」

まず、これがとうもろこしのパン。
現地ではブロアと呼ばれる、ポルトガル独特のパン
です。
とうもろこしの風味がほんのりと甘く、素朴な味わい。
私は、とうもろこしで作られているためか、固さも
まるで違うけれど、ポレンタを思い出しました。

そして、これが、「卵のタルト」

つまり、カスタードのタルトで、ポルトガル語では、
カステル・デ・ナタと言います。
ポルトガルの伝統的なお菓子で、このお店の看板でもあります。
一口食べてみると、カスタードの味わいがしっかりしていて、
甘くて優しい。シンプルに、伝統に従って作ったという
印象です。
ちなみに、カステル・デ・ナタは、
司馬遼太郎の『街道をゆく 南蛮のみち』
にもでてくるのですよ。

今回は、売り切れでいわしのタルトが買えず残念!!
近々、リトライしてみます。

チーズって、本当は…。

先日、会社でカタカタとキーボードを打っていると、
ペルー人のカチートがやってきて、
「小倉さんおなかすいてるでしょ」
とこんなものをもらいました。

ロールパンにチェダーチーズを二枚はさんだもの。

私の生業では、様々な国の人たちが働いているのですが、
スタッフの多くは、肉体的にハードな仕事をしているので、
ちょくちょく腹ごしらえをするのです。
日本人は、大概、コンビニのお菓子かインスタント食品を
食べている姿を目にしますが、アルゼンチンやペルーの
人たちは、そういったものを食べるとお腹を壊すようで、
いろいろなものを持参。

特に、ペルー人は、みんなで集まって、持ってきたものを
わかちあうのが好きで、ロールパンのチーズサンドの他にも、
チョリソーを茹でたものやら、サラミやら、ときには
季節のフルーツを楽しそうに食べています。

たまに、私にも分けてくれるのですが、
確実にいえるのは、コンビニお菓子などよりはるかに
元気がでるということ。
そして、その日も、喜んで食べていたのですが、
「こうやって食べるとチェダーチーズも美味しいな♪♪」
と思いながら、あることに気づきました。

チーズは本来的には、こういう風に
消費されてきたのではないのか、ということに。

古代ローマ時代から軍隊の食料であり、
20世紀にいたるまで、あまりに当たり前すぎて、
特別なチーズを除いて、ほとんど「チーズ」としか
記録されなかったけれども、人々にとって、
重要な栄養源であったといわれるのは、
例えばカチートがやっているような、
こういった何気ない食べ方のうちに
あるのではないか、と。

翻って、日本人を考えてみると、チーズが
好きな人たちでも、労働の合間に、
チーズサンドを食べようとする発想の
ある人はあまり多くないのではないかしら。

もちろん、グルメとしてのチーズ、例えば、
チーズとアルコール飲料のマリアージュ
大好きだし、洒落たヨーロッパ風の食事も
楽しいけれども、もっと身近に、チーズが消費
されるような土壌ができれば、と思います。
海外の真似事ではなく、もっと当たり前の感覚で。
チーズ味のお菓子よりも、チーズサンドの方が、
美味しいし、元気になるし、身体によいのは、
明らかですから。

菜の花のスパゲッティ

こんばんは。

暦の上ではまだまだ冬ですが、せめて気分だけでも明るくなりたいな、と思い、「菜の花のスパゲッティ」を作ってみました。

このスパゲッティ、アンチョビも入れるタイプもありますが、今日はシンプルに菜の花とにんにくだけで。

作り方は、あまりにも有名なので、あえて書きませんが、私なりのポイントがいくつかあるので書いておきますね。

・菜の花は花と葉っぱだけ。太い茎は使わない。
→なぜか、イタリアでは使いません。

・スパゲッティに入れる塩は、サーレグロッソを女性の手で軽く2握り。
→これドンキローネ流です。家ではわざわざ塩を軽量せず、だいたいこの量で。スパゲッティのゆで加減をみるときに塩味を確認し、ソースの味を決めます。

・チーズは基本的にかけない。

・みじん切りにしたにんにくをオリーブオイルで炒め菜の花を炒めますが、かなりくたくたに。スパゲッティ味があるので、塩は控えめにすること。

・オイルソースなのでオリーブオイルはたっぷりめに。
→ただでさえも、菜の花が吸ってしまいます。

ちなみに、アンチョビも使うときは、数枚を細かく切って、にんにくと炒めますがアンチョビを溶かすかんじで。また、アンチョビに塩味がついているので、ソースに塩は使いません。

とはいえ、このパスタ、ナポリあたりのものなので、フィレンツェでは見たことがありませんでした。
フィレンツェでみた、春らしいプリモ、なんだろう。
アーティチョークやいちごのリゾットかな??
でも、もうちょっと、先の話ですかね。

ぶえん鰹のグリル古代ローマ風

こんばんは。

今日は、平日ながら生業がおやすみ。
なので、嬉しくなって、前々から作りたかった、
古代ローマのアピキウスの魚用ソースにトライして
みました!!

「ぶえん鰹のグリル古代ローマ風」

アピキウスによれば、マグロ用のソースなのですが、
鰹も青魚だしいいよね、と勝手に解釈。
それが、結論として大正解になりました。

それでは、作り方。

鰹(本当はマグロ。カジキマグロでも良いかと
思われます)は塩・胡椒して、オリーブオイルを
まぶしてグリルしておきます。

そして、肝心のソースです。

玉ねぎ(中くらいのサイズ半分をみじん切り)
コリアンダー(2から3本 葉も茎もみじん切り)
タイム(1枝みじん切り)
干し葡萄(10粒みじん切り)
クミンシード(こさじ半分)
ガルム(大さじ1)
蜂蜜(こさじ1)
酢(大さじ1 私は、白ワインビネガーにしました)
ワイン(大さじ1 私は、家にあったのが赤ワイン
 だったのでそれを。干し葡萄が入っているので、
 なじみます。もちろん白ワインでもいいかと)
オリーブオイル(大さじ5)
胡椒(適宜)

以上を小鍋に入れ、少々火を通し、片栗粉を少し
入れて馴染ませます。

このソースを、グリルした魚にかけます。

ちなみに、アピキウスには分量は書いていないので
すべて、私の調合です。

古代ローマ料理は、ガルム(いわしで作る魚醤)に
蜂蜜とスパイス、ハーブを加える味付けが多い
ですが、これも例外ではありません。
本で読むたびに、どんなものだろう、と思っていましたが、
これが美味しいのですよ。

今まで味わったことのない、異国的な味。

という印象でしょうか。
何せ、2000年も前の味ですから。
それでも、冷蔵庫にある食材で追体験できてしまう
のが、料理の最大の魅力でもあります。

ソースそのものが美味しくて、父はしきりにレーズン
入りのパンにのせて喜んでいました(笑)
日常だけではなく、おもてなしにもおすすめです。

もし、ガルムがない場合は、アンチョビのフィレを
刻んで代用できます。

ぜひ、作ってみてくださいね!!

今年もお味噌をつくりました!!

こんばんは。

今日は、私のチーズの師匠かじたいずみ先生の教室で、恒例の味噌作りをしてきました!!
味噌作りを教えてくださるのは、いつもどおり、チーズプロフェッショナルの渋谷裕子先生。味噌作り歴約30年のベテランです。

まずは、これが、昨年つくった私のお味噌。

味噌作り一年生だったので、味噌が熟成しすぎるのが心配で、夏の終わりには冷蔵庫に入れて保存したものです。
色づきも明るく、味も香りもあっさりしているので、使い勝手のよい味噌になりました。
おかずを作るのが億劫なときは、これにすり胡麻と七味唐辛子を合わせて、白いごはんにのせて海苔と食べたりしています(笑)

そして、これが、今日の作りたてほやほやのお味噌。

色がまるで違います。
これを熟成させると、初心者でも、最初の写真のように味噌らしくなるわけですが、一応、簡単に味噌作りの流れを説明しておくと、

一晩水につけた大豆を、指で潰せるくらいに柔らかくゆでる。
 ↓
茹であがった大豆を潰してペースト状にする。
 ↓
粗熱がとれたら、塩きりした(塩とよく混ぜた)麹を混ぜあわせる。
 ↓
よく混ざったら、味噌玉(ソフトボール大のお団子)にして、容器に叩きつけながら入れ、最後に表面をならす。
 ↓
空気が入らないようにラップをぴっちりと表面にあて、蓋をして冷暗所に保管する。
 ↓
土用の頃に、天地返し(一度混ぜなおす)を行い、好みのように熟成する。

ということになります。
前回は、この、天地返しのときに、熟成しすぎ??と思い、冷蔵庫に入れたわけですが、今年は、もっと熟成させようかと思っています。

同じときに同じものでつくっても、熟成のさせかたで全然変わるのですよ。
今日も、かじた先生や、渋谷先生のお味噌を味見させてもらいましたが、熟成を進めたものは、香りも味も複雑で、ときに奈良漬けのような風味も感じられます。手作りならではの、個性的な味わいというのでしょうか。つくづく、お味噌は生きているのだな、と思うわけです。

うちの子も、まずは、どこで育てるか、一晩、考えてみます♪ヽ(´▽`)/

お豆の季節。

こんばんは。

今日も夜通し生業。
お弁当は、赤いんげん豆のパスタにしようかと思っていたのに、うっかり寝過ごしてしまって作れず。
そんなわけで、お豆のサラダでも買おうと大井町のアトレに行ってみました。

が、これが、なかなかみつからない。
サラダ専門店にもない。
やっと成城石井で、“ひじきと”豆のサラダを発見。
なんか和風みたいだけど、まぁいいか、と買ってみました。

なぜ、こんなにお豆にこだわったかといいますと。
まずは、お豆が食べたい気分であったというのもあるのですが、それより重要なこととして、豆といえば冬である、ということを思い出したからなのです。
イタリアでは、ですけど。

もちろん、トスカーナ人は豆食いなので、年中食べています。例えば、お肉のセコンドのコントルノ(つけあわせ、のこと)なども、私は日本人なのでバターテ・アロスト(ロースト・ポテト)が大好きですが、彼らは白いんげん豆に塩胡椒とオリーブオイルだったり。フィレンツェのバルジェッロ美術館の裏にあるアックア・アル・ドゥーエというリストランテのつきだしのいんげん豆のペーストの絶品ぶりとか(余談ですが、この店は大好きでしょっちゅう行っていました。セコンドもよいのですが、何より、プリモとドルチェがよいのです。カジキマグロと緑胡椒のファルファッレは一度食べたら感動しますよ)。

ですが、ダニエーラ先生など、その他の地域のイタリア人にとっては、やはり冬のものという印象が強いようです。ほうれん草とお豆のサラダなど、冬の一皿なのではないかしら。

まぁ、お豆は乾燥保存できるので食べ物の減る冬に重宝だし、キリスト教では復活祭の前までは肉を食べられない期間でがあった、伝統的に冬によく食べられてきたのかもしれませんが。
ただ、おもしろいことに、中国薬膳でも、八宝粥など冬に豆料理を食べますが、このような洋の東西のリンクって結構あるのですよ。
ただ、イタリアは、中国のように、季節と健康と食を陰陽思想や五行思想のようなひとつの思想として体系化しておらず、あくまでも文字として残すまでもない常識、母から子に伝えられる知恵なので、あまり知られていないのですが。
そのへんをまとめてみようというのが、私のライフワークのひとつでもあります。