おうちでチーズ!! その2

おはようございます!!
今日も青空で気持ちがよいですネ!!

さて、きのうは、ロシアのカッテージチーズ、トゥヴォローニクのつくりかたを
紹介しましたが、今日はそのアレンジ、チーズボールを紹介します。

トゥヴォローニクそのものはリコッタチーズのようなものなので、
そのままジャムや蜂蜜をかけてもおいしいスィーツになりますし、
塩・胡椒をしたり薬味をのせると、素敵な前菜になります。

でも、ひと手間かけるだけで、華やかな一皿へと大変身!!

写真奥から左回りに、

� アンチョビとスパイス 
� 胡椒とミント
� スモークドサーモン
� ミックスハーブ

前回のつくりかたでトゥヴォローニクは約200gできるので、
チーズボールは、8個から12個くらいつくれます。

それでは、それぞれのつくりかたを簡単に紹介しますね。

� アンチョビとスパイス
  ・トゥヴォローニク 50g
  ・バター 10g(細かく刻む)
  ・アンチョビフィレのオリーブオイル漬け 二枚分は刻んでおく+チーズボールの
   飾り用は適宜
  ・ケッパー こさじ1/2(細かく刻む)
  ・にんにく 1/3かけ(すりおろす)
  ・クミンパウダー こさじ1/2
  ・パプリカ こさじ1/2

  飾り用のアンチョビ以外を、ボウルにいれてよく混ぜ、混ざったら小さなボールに
  します。水分が足りなくてぱさぱさしていたら、アンチョビフィレの漬かっている
  オリーブオイルを少々入れます。
  最後にアンチョビを上に飾ってできあがり。

� 胡椒とミント
  ・トゥヴォローニク 50g
  ・バター 15g(細かく刻む)
  ・あらびき黒胡椒 こさじ1/2+α
  ・塩 こさじ1/3
  ・ミント(フレッシュ) 2〜3枚(刻む)+飾り用

  飾り用のミント以外を、ボウルに入れてよくまぜます。水分が少ないので、よく
  まぜて、しっかりボールにしてください。
  最後にミントを上に飾ってできあがり。

� スモークドサーモン
  ・トゥヴォローニク 50g
  ・バター 10g
  ・マヨネーズ こさじ1
  ・塩 こさじ1/3
  ・にんにく 1/3かけ(すりおろす)
  ・スモークドサーモン(レモンをふっておく) チーズボールの個数分
  ・いくら 適宜
  ・ディル 適宜

  トゥヴォローニク、バター、マヨネーズ、塩、にんにくをボウルに入れてよくまぜま
  す。ボールにして、スモークドサーモンをまいて、いくらとディルをかざります。

� ミックスハーブ
  ・トゥヴォローニク 50g
  ・バター 10g
  ・マヨネーズ こさじ1
  ・塩 こさじ1/3
  ・にんにく 1/3かけ(すりおろす)
  ・フレッシュハーブ(ディル、パセリなど)を刻んだもの おおさじ1

  材料をすべてボウルに入れて、よくまぜ、ボールにします。

�と�は実はベースが一緒なので、途中まで共通につくると簡単です。
そのほか、レーズンを飾ったり、ナッツを入れたり、お好みでいろいろ試してみて
くださいね。

ちなみに、私のおすすめは、�のアンチョビ。
意外な組み合わせですが、美味しいですよ!!


 
  

おうちでチーズ!!

お正月の2日目。

恒例の箱根駅伝を見ながら、今日は、チーズをつくりました。

おうちでチーズをつくってみたことはありますか??
熟成チーズはもちろんお店で買うけれども、フレッシュチーズのいくつかは
スーパーに売っているものを使って、簡単におうちで作れるのです。

そのために必要なものは、なんといってもヨーグルト。
私は、ネットスーパーでヨーグルトを毎週届けてもらうのですが、夏はともかく
冬は寒くてなんとなく敬遠。結果、冷蔵庫にどんどんヨーグルトがたまって
いくわけですが、そんなときによくつくるのが、

ロシア風のカッテージチーズ“トゥヴォローニク”。

材料は、ヨーグルト1に対して成分無調整の牛乳2の割合で用意するだけ。
簡単なので、みなさんもつくってみてくださいね!!

それでは、以下、つくり方です。

① なべにヨーグルトと牛乳を入れてよくまぜあわせます。
  今日はヨーグルト500gに対し、牛乳1000mlでやりました。
  この量だと、最終的に200gほどのチーズができます。

② なべを弱火にかけます。しばらくすると、ふわふわとかたまりが浮いてきます。

  そのかたまりを、網杓子ですくいとり、

  キッチンペーパーあるいはガーゼをしいたざるにのせていき、水分を切ります。
  水分がでるので、ざるの下にはボウルを置いておきます。

③ ふわふわのかたまりが浮いてこなくなったら終わり。
  きっちりとキッチンペーパーで包みなおし、その上に水を張ったボウルなどで
  重石をして、1時間30分から2時間ほど、水をきります。
  私は、途中で一回キッチンペーパーをとりかえます。

④ こんな風になったらできあがり。

ほんのりと甘く、リコッタチーズのようなチーズです。
このまま、ジャムやはちみつなどをかけてドルチェとして食べるのもよし、
塩やスパイスを練りこみ、チーズペーストとしてもよし。

私は、今晩、チーズボールにしてアンティパストとして食べる予定です♪♪

新年のチーズたち。

今日は穏やかなすてきな元旦ですね!!

普段は昼夜逆転の生活をしている私も、今日は、のんびりと目覚め、
御節料理を楽しみ、午後から、地元の氏神さまに初詣。
まったく、日本人らしい、お正月です。

とはいえ、チーズのない生活はもの足りない!!
というわけで、お気に入りチーズを、新年のチェーナのためにみつくろい
ましたが、切り分けるまえにちょっと記念写真。

奥からラングルとカマンベール・ド・ノルマンディスティルトンです。
写真には写っていませんが、コンテとパルミジャーノ・レッジャーノもあります。

ウォッシュタイプ、白カビタイプ、青かびタイプ、圧搾タイプもあるのに、
何ゆえフレッシュタイプがないのでしょう???

それは、これから、自作するからです。
ミルクとヨーグルトで、実は、簡単にチーズって作れるのですよ!!
それをチーズボールにして、スモークドサーモンとディルで飾ろうと思って
いるのですが・・・。

それは、また、明日!!

BUON ANNO I TUTTI!!!!

明けましておめでとうございます。

約一年間、ほとんどブログを更新しませんでしたが、
2013年元旦を期に、心機一転、再開したいと思います。

どうぞよろしくお願いします!!!

イタリア産はちみつを堪能する!!  1

このまえ、チーズの師匠と、チーズプロフェッショナルの同期と共に、
イタリア産はちみつのセミナーに行ってみました!!

はちみつといえば、叔父がフランス食品の輸入業をやっていたころに、
何種類かまとまってテイスティングをしたことがあります。
そのときに、黄金色のとろけるようなアカシアのはちみつの美味しさと、
淡いグリーンのさっぱりとしたクローバーのはちみつに出会った衝撃は
忘れられません。
今から15年以上も前の話ですが、はちみつは花の種類で色まで変わるのか、
という事実を知った、初めての機会でもありました。

とはいえ、普段の生活ではアカシアのはちみつ一辺倒。
好きなうえに、手に入りやすいので、ついつい。

イタリアに住んでいたころも、ほとんど食卓に登場することなく、
そのころ一緒にいたイタリア人たちも、同様で、
「選ぶとすればアカシア?」といったかんじだったので、
あまりはちみつに触れる機会はありませんでした。
今となっては、残念極まりないのですが。

さて、セミナーでは、主催者の日本人の方とイタリア人の方が、
カラブリアの養蜂家の訪問の詳しいレポートと、
イタリア産の7種類のはちみつのテイスティングを行いました。

まずは、ジャブ??
みつばちやはちみつに関わるイタリア語をまとめてみます。

イタリアでは養蜂家のことをapicortore(アピコルトーレ)
というのですね。ちょっと、格好いい(笑)
ちなみに養蜂はapicicortula(アピコルトゥーラ)。

そのほか、みつばちとはちみつに関わる言葉をイタリア語で言うと??

みつばち ape(アーペ)
女王蜂  ape regina (アーペ レジーナ)
働き蜂  ape operaia (アーペ オペライア
      働き蜂はみな雌なのですって。女王蜂の特殊なフェロモンに
      よって、卵を産む機能が発達しないようになっているとか。
雄の蜂  fuco (フーコ)
      ただただ女王蜂と交尾をするだけの存在。毒針もなし。
      ふだんは巣のなかで、働き蜂から蜜を与えられているだけ。
      女王蜂のただ一度の交尾の際に勝ち残れば、子孫を残せるものの
      そこで死んでしまう。負けると、一緒に巣に戻って、また蜜を
      与えてもらえるのだけど、秋になって食料が少なくなると、
      働き蜂に巣から追い出されて、何もできない彼らは、のたれ死に
      することに。

はちみつ miele (ミエーレ)
ローヤルゼリー pappa reale(パッパ レアーレ)
      このパッパとは、「流動食」のこと。
      トスカーナ料理によくある、パン粥、例えばパッパ・アル・ポモドーロ
      (トマトのパン粥)のパッパと一緒。
プロポリス propoli(プローポリ)
花粉   polline(ポッリネ)
      日本でも健康食品として注目されているようですが。
      みつばちが巣に戻るときに落としていったお花の花粉です。
      甘いわけではなく、きなこのような、ぱふっとした味と食感。
      イタリアのアピコルトーレさんはヨーグルトにかけていました。

ということで、次回は、イタリアのはちみつの種類を、テイスティング
感想を交えながら、まとめてみたいと思います。






  

オリーヴオイルのある生活 2(イタリアにて)

「イタリアってなんでもかんでもオリーヴオイルだから、嫌になっちゃう」

とぶつぶつ文句を言いながら、スーパーの買い物かごにバターを投げいれた
のは、ミュンヘン出身のアニカである。アニカは、私のフィレンツェでの
最初の同居人であった。

彼女が文句を言うように、フィレンツェは料理の際には、オリーヴオイルが
中心である。外食すれば必然的にオリーヴオイル風味の料理がでてくる
わけで、ドイツ料理で育ったアニカは飽きてしまったらしい。
日本流にいえば、中国料理は好きだけど、毎日ゴマ油で飽きちゃった、
というかんじだろうか。

ともあれ、そんなアニカは、自宅で料理するときは、基本的にバターを
フライパンにしき、オーヴン料理でもバター、パスタ類をつくる際も、
クリームソースのものにすることが多く必然的にバター、といった風で、
液体の油はドレッシングを作るとき専門。その中でもオリーヴオイルは
「イタリア風」サラダや「ギリシア風」サラダを作るときに特別に
使用するくらいで、いつも私のオリーヴオイルを使っていた。

私がアルプスより北側のヨーロッパ人と生活したのは、このアニカと
もう一人、スウェーデン人がいたが、バターとオリーヴオイルの
利用法に関しては同じような感じだったので、まぁ、この感覚が
彼らのスタンダードなのだろう。

さて、フィレンツェに数ヶ月住むようになってくると、
ぼちぼちとイタリア人の友人知人もできはじめる。
チェーナ(夕食)によばれたり、外で飲んだあとの夜食に誰かの
家に行ったりする機会も増えてくる。
そこで幾人かのクッチーナをのぞいて見ると、どんな家でも
オリーヴオイルがクッチーナに、でん、と置かれていた。
冷蔵庫にバターも入っている場合もあったが、ない場合も多く、
あったとしてもあまり頻繁に使われている形跡はない。

明らかにオリーヴオイル中心、アルプスの北側とは異なる食文化なのである。

その後、私にはイタリア人のラガッツォができたわけだが、
彼によればオリーヴオイルとその他の油およびバターの利用は
次のようなものであった。


オリーヴオイル
イタリア産のもの、トスカーナ産かプーリア産のものが好ましい。
色は緑が強いものがよい。
田舎風ににごっているものも風味がよいが、早く使うこと。
加熱調理用と香り付け用と、二種類そろえておく。

☆加熱調理用
パスタのソースをつくるときや、野菜を炒める際に使う。
エクストラ・ヴェルジネが好ましいが、なければただのヴェルジネ
でもよい。
ちなみに、私のみたイタリア人家庭では、「イタリア一のシェア」
と謳われるだけあって、みんな「ベリトーリ」のエクストラ・ヴェルジネを
使っていた。

☆香り付け用
塩と混ぜてパンなどにつける。
あるいは特別の際(来客など)にドレッシングや料理の風味づけに利用。
おしえてくれたイタリア人は「ラウデミオ」を好んでいた。
「ラウデミオ」の場合、瓶が透明なので、退色しないように必ず
買ったときに入っている箱にいれること。


その他の油

☆ひまわり油
揚げ物の際に利用。オリーヴオイルは使わない。

☆バター
風味づけやプリモ・ピアットの際に。
例えばパスタのバターソースとして利用。
バターとパルミジャーノ、バターとセージ、じゃがいものトルテッローニの
ソースなど。


もちろんオリーヴオイルの銘柄や産地などは個人の好みがあるとは思うが
(イタリア人は地元好きなので。彼の場合、フィレンツェ出身で、父親の
出身地がプーリアだったこともオリーヴオイル選びに影響していると
思われる)、フイレンツェでは多かれ少なかれこのようなものだったと思う。

この点、オリーヴオイルテイスターの先生に話したところ、
「あの人たちも、地元のオリーヴオイルへの思い込み強いからね」
とおっしゃっていた。
たしかに、スペイン産のオリーヴオイルなど敵視するきらいもあったが、
美味しく品質のよいものが多いのも事実である。

そういうわけで、次回は、基本的なオリーヴオイルの分類について
まとめてみるつもりです。

まつたけ便、未だ、来ず。

今週のお題「センチメンタルな秋」

実のところ、私の生業は、都内某所にある運送会社の夜勤の
社員なのであるが、運送会社というのは、意外にも季節感あふれる
仕事場で、お正月には神社に飾る注連縄やお神酒の樽が、
春になればいちごやハーブの鉢植え類、夏になると、笹やあさがお、
ほおずきに果ては縁日の金魚やうなぎまで。
真夜中の陽の当たらない生活をしているわりには、季節に敏感な
お客様たちのおかげで、楽しませていただいている。

そのなかでも、秋は特別なのだ。

もちろん、ボジョレー解禁日前後には、年々工夫が重ねられていく
梱包技術のめざましさを感じつつ、大量のワインが届くのだが、
みんなのお待ちかねはそれではない。

とある埼玉のハブセンターからやってくる、最初の路線便。
降ろし場に到着し、封印を切って扉を開ける前から、立ちのぼる芳香!

まつたけである。

大量の東北からの荷物をさばく、このハブセンターでは、
最高級食材のひとつであるまつたけの輸送は、荷物がまださほど
多くない真夜中の便で行なわれる。
うちの店に来るのは、夜明け前、休憩時間のころ。
普段は休憩時間に誰も降ろし場なんかに来ないのに、香りにつられて
何人も、そのトラックの前にやってくる。

「あ、まつたけだ」

ふだんは、むすっとしたバイトの若い子も、少しだけ顔をほころばす。

昨年などは、まつたけの大豊作だったので、一便めだけでなく、
二便めにもつまれている日があり、
「今年は俺らも買えるかな」とか、まるでまつたけの香りに反応を
示さない中南米人のバイトたちと「まつたけの香りのよさが
わかんねーのかよ」とか、みんなで軽口をたたきながら、せめて
香りを楽しんでいたのだった。

だが今年はまだ来ない。

いろいろなことがあったから、だろうか。

いつもの路線便のドライバーに、ハブセンターの状況を尋ねてみた。
「今年はまつたけ全然みかけないよ。柿は多少は来るけど」
「そう」と答えると、その東北出身の彼は続けた。
「去年みたいにふつうじゃなく大豊作だったりするとさ、ふつうじゃ
ないことがおきるんだよ。去年は全然気づかなかったけども」

そうだ、私も「おすそわけ」、と去年、一本貰ったのだった。
去年はみんなでまつたけの豊作を喜んでいたのに。

今晩もまつたけは来なかった。

それでも、私は、待っているんだ。
あの芳香に包まれた、夢のようなトラックが来ることを。
明日も、来年より先になったとしても。